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【図書館総合展】大手学術出版社が提供する先端サービス

図書館総合展で開催された、シュプリンガー・ネイチャーさんの最新サービスの説明会に出席しました。

私としては、学術系の出版がこれからどうなっていくのか、に興味があり、良い機会となりました。 ふたつのサービスが紹介されました。

学術情報のLOD(Linked Open Data)プラットフォームサービス。

LODとは「データのWeb」とも呼ばれるもので、ハイパーリンクが文章同士を関連付けることにより”人間”が参照できるようにしたものであるのに対し、構造化されたデータ同士を関連付けることにより”コンピューター”がプログラムベースで解析を行えるようにしたものです。

膨大な量の論文、書籍のデータを手始めに、研究者や研究機関、助成金といったデータも関連付けて利用することができます。

主な利点は、公開されている膨大な学術関連の情報を、プログラムベースでよりシステマチックに探索できるようになる、ということでしょう。

ある研究分野について、どの国が強いのか、どの大学が強いのか、またその国の助成金がどうなっているのか、といったリサーチ結果も、プログラムを組めば簡単に出力できるようになります。

クリエイティブ・コモンズライセンスのCC BY-NCが付与されていて、営利目的でなければ自由に使えるようです。

研究者向けのオンライントレーニングサービス。

調査によると、多くの研究者が自分の論文執筆スキルに自身が無いと答えているようです。そして、各研究機関において、体系立てられたトレーニングが行われていないのが実情のようです。

このサービスでは、ネイチャーにおけるエース編集者達を講師として、論文や書籍の執筆スキルを磨いていくためのプログラムが提供されています。単元ごとに編集された動画を見ていくのがベースで、忙しい中にも少しずつ学習を進めていける内容のようです。

機関毎のサブスクリプションによる有料サービスとのことです。

・私の所感

学術論文は今ではオープンアクセスが主流となり、基本的にWebで検索すれば読める時代になりました。そんな時代の学術出版社の役割は何なのか?

おそらく、根本的なところはこれまでと変わらないのでしょう。それは、研究の成果をいかに必要とする人のもとに、分かりやすい形で届けられるか、ということになるでしょう。

これまでは書籍や雑誌の形が主流でしたが、これからはデータの提供方法やそれを参照するための仕組みが重要になりそうです。

自らそのようなリテラシを磨いていくとともに、研究者のサポート(トレーニングも含めた)を行っていくことが、これからは求められるのでしょう。


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